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保険の基礎知識
2021.03.09

保険を乗り換える時の注意点 自動車保険や生命保険の乗り換え手順とポイントを解説

目次

保険に加入していると、一度は検討するのが「保険の乗り換え」ではないでしょうか。保険会社はたくさんありますから、「今より良い保険があるかも」といろんな保険をチェックした経験がある方もいるでしょう。

保険の乗り換えでは、乗り換えタイミング(満期or満期前)の違いなど、みなさんに注意してほしいポイントがあります。本記事では、保険の乗り換え手順や注意点について解説します。

1多様な保険の選択肢 “乗り換え”は当たり前!?

実は、以前は今ほど保険の選択肢が豊富ではありませんでした。今より規制が厳しかったためです。

生命保険文化センターによると、自動車保険は1998年に自由化されるまで各社の保険料などは横並びでした。生命保険においても、2006年に規制緩和されるまで、ネット販売専門の生命保険会社はありませんでした。

規制が緩和されて以降、保険商品の種類やサービスは格段に増えました。このことを考えると、それまでの「選択肢が限られた保険」から、保険の乗り換えを検討するのは普通のことといえるかもしれません。

2保険の乗り換えには注意が必要

保険の乗り換えには注意点があります。「自動車保険」と「生命保険」に分け、それぞれ確認しましょう。

自動車保険の乗り換えの注意点

自動車保険を乗り換える際は以下の注意点に気をつけましょう。

自動車保険乗り換えの注意点① 等級の引き継ぎ
自動車保険乗り換えの注意点② 期間が空く場合は「中断証明書」を取る
自動車保険乗り換えの注意点③ 補償の空白&重複を作らない

それぞれ解説します。

・自動車保険乗り換えの注意点① 等級の引き継ぎ“満期”か“満期前”で違い

自動車保険は、等級が上がるほど保険料が安くなります。最初は6等級ですが、無事故で契約を更新する度に最大20等級(共済などは22等級)まで上がっていきます。自動車保険は概ね1年契約なので、大体1年ごとに1つ上昇していく計算です。

自動車保険の等級は乗り換えても引き継がれますが、乗り換えタイミングによって引き継ぎの仕方が異なります。

・満期前の乗り換え(無事故):乗り換え前の等級を引き継ぎ、乗り換え後の保険契約
・満期の乗り換え(無事故):乗り換え前の等級に1を足して乗り換え

例えば現在、15等級で自動車保険に加入しているとします。事故歴がなければ満期で16等級に上がりますが、満期前に乗り換えると15等級を引き継ぎ、乗り換えから1年待たないと16等級にはなりません。

等級を早く引き上げたい場合、満期での乗り換えをおすすめします。

  • (画像=著者作成)

・自動車保険乗り換えの注意点② 期間が空く場合は「中断証明書」を取る

等級の引き継ぎは、乗り換え前から原則7日以内でないといけません。これ以上期間が空くとせっかく上がった等級が無駄になってしまう可能性があります。

例えば、「今乗っている車を廃車にして新車の納車まで時間がある」などで乗り換えに期間が空く場合、必ず「中断証明書」を取りましょう。引き継ぎの期間を10年程度まで引き延ばせます。

・自動車保険乗り換えの注意点③ 補償の空白&重複を作らない

事故はいつ起こるかわかりませんから、自動車保険の空白期間を作らないようにしましょう。補償されない期間の事故は、当然ですが保険金がでません。

また、補償の重複もできるだけ避けましょう。自動車保険から支払われる保険金は、実際の損害に基づく「実損補填」が原則です。

たとえば200万円の損害が出た場合、自動車保険を複数契約していても、支払われる保険金の合計は200万円までです。

超過した分の保険料は無駄になってしまうので、保険の終了日と開始日はできるだけ合わせましょう。

生命保険の乗り換えの注意点

生命保険を乗り換える場合の注意点は主に以下の3点です。

生命保険の乗り換えの注意点① 保障内容&保険料が変わる
生命保険の乗り換えの注意点② 「責任開始日」に注意
生命保険の乗り換えの注意点③ 利率が下がってしまう可能性

それぞれ確認しましょう。

・生命保険の乗り換えの注意点① 保障内容&保険料が変わる

保障内容は保険契約ごとに異なりますから、乗り換えると当然保障内容も変わってしまいます。

乗り換え先の保険で同じような保障を設定することもできますが、同じ保障でも保険料が上昇する可能性もあります。

一般的に、生命保険は年齢が上昇すると保険料も上昇します。保険料が安くなっても、保障が薄くなるのであれば意味がありません。ただし、保険料は年齢以外の影響も受けるため、一概に保険料が上昇するとはいえません。

いずれにしても生命保険を乗り換える場合は、保障内容と保険料双方のバランスに注意しましょう。

・生命保険の乗り換えの注意点② 「責任開始日」に注意

生命保険は、乗り換えてもすぐに保障が開始されない場合があります。

保険が実質的に保障を開始するのは「責任開始日」からです。責任開始日前の病気や死亡では保険金が出ませんので注意しましょう。

  • (画像=著者作成)

・生命保険の乗り換えの注意点③ 利率が下がってしまう可能性

生命保険は契約者から預かったお金を運用しており、その率によって保険料や解約返戻金が計算されます。利率が高いほど保険料は安く、また解約返戻金は大きくなる傾向にあります。

低金利の影響を受け、生命保険各社の諸利率は下落傾向です。以前に契約した保険の方が利率の条件が良い場合があるため注意しましょう。

3自動車保険の乗り換え方法

自動車保険を乗り換えには「満期」と「中途解約(満期前の乗り換え)」の2種があります。それぞれ手順を確認しましょう。

満期での乗り換え方法:乗り換え先の自動車保険で直接手続き

満期で自動車保険を乗り換える場合、乗り換え前の自動車保険では特に手続きは必要ありません。乗り換え先の自動車保険で手続きを行いましょう。

ただし、乗り換え前の自動車保険が自動更新される仕組みになっている場合、更新しない旨の連絡や手続きが必要なので注意しましょう。

中途解約(満期前)の乗り換え方法:現在の自動車保険を解約

満期前に自動車保険を乗り換える場合、乗り換え前の自動車保険で解約手続きが必要です。等級の引き継ぎや補償の空白と重複を作らないためにも、乗り換え先の自動車保険でも同時に手続きを行いましょう。

中途解約は、満期での切り替えと比べると手間が掛かります。できるだけ時間に余裕を持って乗り換え手続きを行いましょう。

4生命保険の乗り換え方法

生命保険を乗り換える際の方法を確認しましょう。

生命保険の乗り換え方法

満期前の生命保険を乗り換える場合、乗り換え前の保険で解約手続きが必要です。

自動車保険と違い、生命保険は契約ごとに保険金が支払われるので、重複契約のデメリットは比較的少ないです。しかし不必要な保障は家計を圧迫しますから、解約を忘れないようにしましょう。

満期で乗り換える場合は、契約を更新しない限り特に手続きはありません。ただし、自動更新には注意しましょう。

生命保険の乗り換えタイミング:乗り換え先の審査通過を待つ

生命保険を乗り換える場合、解約の前に、まずは乗り換え先の保険に加入できるか審査を受けましょう。

審査によっては乗り換えを断られてしまう、または一部の保障が対象外になってしまう可能性があります。元の保険に再加入できない可能性もありますから、乗り換え先の審査結果を待ってから元の保険を解約しましょう。

保障の空白を作らないためには、さらに責任開始日まで待つ方法もあります。しかし、その間二重の保険料負担がある点には注意してください。

乗り換え前の保険に「保険料の払込猶予期間」がある場合、保険料を重複期間中に支払わず、万が一の際は振り込んで後で保障を受ける方法もあります。ただし保険が失効する可能性もあるので、猶予期間の条件を確認し、慎重に行いましょう。

生命保険は期間が長い 将来を見越して判断

自動車保険は基本的に1年契約ですが、生命保険は長期契約が一般的です。比較的短い定期保険でも、概ね10年単位の契約です。保障が生涯続く終身保険もあります。

保険期間が長いため、乗り換えは将来に向かって判断しないといけません。単純な保険料の比較ではなく、ライフスタイルの変化に沿った保障内容になっているかが大切です。

どの保険にもいえますが、生命保険は特に保障内容を慎重に吟味しましょう。

5保険の乗り換え メリットとデメリットを解説

保険を乗り換える場合のメリット、デメリットを確認しましょう。

保険を乗り換えるメリット

まずは保険を乗り換えるメリットにはどんなものがあるでしょうか。主に以下の2点があります。

保険を乗り換えるメリット①保険料の負担を減らせる可能性
保険を乗り換えるメリット②時代に沿った保険内容や特約、付随サービスに見直せる

それぞれ確認しましょう。

・保険を乗り換えるメリット① 保険料の負担を減らせる可能性

保険料が安い保険に乗り換えれば家計の負担を減らせます。保険の内容には注意が必要ですが、家計収支の改善効果が期待できます。

・保険を乗り換えるメリット② 時代に沿った保険内容や特約、付随サービスに見直せる

以前の生命保険では、短期入院や通院では保険金が出ないなど、保障内容が現代のニーズに沿っていない場合があります。

また自動車保険においても、ロードサービスなどの付随サービスは金融自由化以降に見られたサービスです。

保険の内容を見直せる点は、保険の乗り換えのメリットといえるでしょう。もちろん、保険をより手厚くしたい、または薄くしたいといった単純なニーズにも応えられます。

保険を乗り換えるデメリット

保険を見直すデメリットは主に以下の2点です。

保険を乗り換えるデメリット① 保険の内容や保険料の条件が悪くなる可能性
保険を乗り換えるデメリット② 手続きが面倒

それぞれ解説します。

・保険を乗り換えるデメリット① 保険の内容や保険料の条件が悪くなる可能性

保険の乗り換えは、必ず条件がよくなるというわけではありません。

乗り換えの際は「自分に必要な保険」についてじっくり考え、保険内容や保険料を慎重に判断しましょう。

・保険を乗り換えるデメリット② 手続きが面倒

保険の乗り換えは、手続きが面倒な点もデメリットといえるでしょう。直接的な手続きも面倒ですが、乗り換えの裏には、保険の比較や将来の判断など、さまざまな手間が潜んでいます。

手続きは面倒ですが、保険を乗り換えると将来の生活を向上できるかもしれません。「未来の自分へのプレゼント」という気持ちで取り組んではいかがでしょうか。

6保険の見直しは満期に注意 保険内容と保険料のバランスが大切

保険の見直しは、満期か満期前かで手続きが異なってきます。特に自動車保険は等級の引き継ぎにも影響があるため注意しましょう。

保険の見直しは保険内容と保険料のバランスが大切です。保険料に注目しがちですが、保険のそもそもの機能は「将来への備え」ですから、保険の内容もしっかり確認しましょう。

※本記事は2020年12月8日時点の内容であり、将来の商品改定等によっては内容が変更になる可能性がございます。

文・若山卓也(ファイナンシャルプランナー)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業、保険募集代理業、金融系ライターとして活動しています。
関心のあるジャンルは資産運用や保険、またお得なポイントサービスなど。お金にまつわることなら幅広くカバーし、発信しています。
AFP、プライベートバンキング・コーディネーター資格保有。

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